アスペルガー夫との生活

アスペルガー傾向の強い夫、カサンドラ状態である妻の私、4歳の娘との日常生活

結納

今振り返れば、なのです。

今振り返れば、そうだったのかもとわかるのです。

 

 

 

 

両親の顔合わせが終わると、

結納、入籍、結婚式・披露宴と続きます。

 

結納は、私の実家にて、滞りなく終わりました。

なおさん(夫)、私、なおさんの両親、私の両親、

それからなおさんの妹も参加しました。

 

私の実家なので、

なおさんの両親、妹、なおさんは少し緊張するかなと思いきや、

やはりこの家族は強者揃いです。

ずっと自分たちのペースで話せる話題に

勝手に盛り上がっていました。

 

結納という場であることを忘れるのでしょうね。

 

なおさんも舞い上がっているのか、

ビール瓶を持って、変な顔、変な恰好をするのが気に入ったらしく、

ずっとそれをしていました。人を笑わせているつもりでしょう。

(このときの夫の態度に『幼稚な人だな』と感じたと、

 数年後母は言っていました。)

 

でも、そのとき私はこう思っていました。

お互い気を使いすぎて、静かすぎるのも嫌だし、

このくらい賑やかなほうがいいや。

 

 

もし、私たち家族だったら・・・という仮定自体が、

無意味なのかもしれません。

家族によって様子が違うのは当然ですし、

それが結婚だと思っていたからです。

 

私は今からこの家族の文化にも慣れていかないといけないんだ、

受け入れていこう、これが当時の本音でした。

 

 

 

 

なおさんのアスペルガーを疑い始めたころだったか、

私の母と私が話していたとき、

この結納の日のあるエピソードを聞いて驚きました。

 

両親顔合わせと結納の間に、

私の両親がなおさんの両親をうちに招いて、

お昼ご飯をふるまうことになっていたそうです。

 

しかし、冷蔵庫が壊れてしまい、

お昼ご飯をふるまうことができなくなり、

午後にお茶とケーキか何かを出したそうです。

 

そのことがあって、

結納の当日、母はなおさん母にこう言われたそうです。

 

「今日はちゃんと食べさせてもらえるかしら?」

 

なおさん母本人は意識していないと思うのですが、

平気で嫌味を言う人です。

 

私も、なおさん母の皮肉めいた言葉に、

何度傷ついたことか。

 

何年も経って、母がこんなことを言われていたことを知り、

申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

 

 

 

また、私の両親がなおさんの両親に招かれ、

お宅に伺うという機会もありました。

しかし、その時なんと、ゲリラ豪雨に遭い、車が水没。

車を降りて、すぐにその場を離れたので、幸い両親は無事でしたが、

車は廃車となりました。

 

車といい、冷蔵庫といい、

この結婚、やめたほうがいいよ~!!と、

伝えてくれていたのかなぁと思います。

 

 

 

ところで 、私の現在ですが

幼稚園のママ達との取り留めもないお喋りなどが、

苦手だなと感じることがあります。

ここ数年、家庭でまともに人と話していないからだと思います。

雑談したり、お喋りしたりするのも、訓練が必要ですね。

 

 

 

独身のころは、

仕事で人と話すし、

地元の友達と会うこともあるし、

人と話すこと自体に苦手意識はありませんでした。

 

でも、結婚してから地元を離れ、

物理的に私の周りにいる人が減りました。

毎日話す相手は夫のみです。

 

その頃は、夫と私の2人暮らしでしたし、

お互いよく話していたつもりでした。

 

今考えれば、"お互い"ではなく、常に私が話題を提供し、

夫は思い付いたことを言っているだけだったのかもしれません。

 

夫の言動は、

変だったり、失礼だったり、無神経だったりすることもありましたが、

私は夫に、後日やんわり注意したり、こうしたほうがいいんじゃない?と提案したりする程度でした。 

 

もちろん、喧嘩もありましたが、

最終的には話し合ってお互い納得して喧嘩を終えているつもりでした。

 

子供が生まれてからは、3人暮らしになり、

夫にとっては環境が一気に複雑になりました。

 

2人暮らしだと、

私が夫の名前を呼ばなくても、話しかけられていることがわかります。

 

でも、3人になると、夫はわからないのです。

周囲の声は他の雑音と同じなのです。

 

私が夫に話しかけることもあるし、娘に話しかけることもあります。

大人に話しかける言葉遣い・声色と、子供に話しかける言葉遣い・声色は、

普通、違うと思います。

また、話の内容で、「あ、自分に話しかけているんだな」とわかると思います。

 

夫には全くわからないのです。

 

こうして、夫にとって複雑化した環境で、

夫の不思議な言動が増え、

病院へ行き、アスペルガー傾向が強いことがわかりました。

 

 

 

でも、結局、夫が治るわけではありません。

むしろ、私のコミュニケーション能力が低下しているような気がするのです。

はぁ・・・ これ、本当に本当に喫緊の課題です。

 

また、いわゆる”カサンドラ症候群”状態であることも影響していると思います。

自己肯定感が低いので、人と話すときも不安を感じているのだろうと思います。

 

今まではそれほど気にしなかったであろうことも、今では気になります。

何か失礼なことしたかな?私の今の発言、まずかったかな?とか。

 

日々、「大丈夫、大丈夫、大丈夫」と言い聞かせています。

今すぐ抜け出したいです、この状態から。

 

 

両親初顔合わせ

なおさん(夫)の家族は、

今まで私の周りにはあまりいないタイプの人達でしたが、

よく喋る、裏表のないタイプとも言えます。

 

これから結婚しようとしている人の家族ですし、

私もこんな風にいいように考えていたのも事実です。

 

 

 

さて、その後にお互いの両親が初めて会ったときの話です。

 

お座敷に、なおさんの両親、私の両親、なおさん、私、

6人が集いました。

 

なおさん母はお喋りなので、よく話していました。

最初は、私の両親も私も、

「そうですね。」等、相槌をうっていたのですが、

 

そのうち、なおさん母は自分の感情に任せて、

同じ話を何度も何度も何度もするようになりました。

 

というのも、

結婚後、なおさんの転職で地元を離れることになったからです。

 

なおさん母は結婚云々より、

まさか地元を離れて、別の都市に行くなんて、

と嘆いているのです。

 

個人的に、なおさん母が嘆く気持ちはわかりますが、

初顔合わせで延々と一人で一方的に話すことではありません。

 

もし、私の親が同じことをしたら、恥ずかしいと思うくらいです。

「ちょっと喋りすぎよ。」とか、

「緊張して、酔っ払ってる?その話、もう何度もしてるよ。」

と言いたくなるレベルです。

 

ちなみに、この間、なおさん父は貝の如くだんまり。

終盤、なおさん母がお手洗いで席を外したときに、

「うちのはお喋りなんで… ひとりでずっと喋ってて、すみません。」

と謝っていました。

 

もちろん、私の両親は

「色々と心配なさっているんでしょうね…」

と、普通に対応していました。

 

なおさんからのフォローはありませんでした。

 

 自分の気持ちをコントロールできないのか、

単に会話中の沈黙が怖いのか。

 

結婚に向かっている間は、

私が物事をポジティブに捉えていたのは事実です。

が、この日もやはり、違和感が残りました。

 

 

なおさんの家族と会う

なおさん(今の夫)のことは多少知っていたものの、

なおさんの家族のことは全く知りませんでした。

 

ところで、母が私によく言っていました。

結婚相手は、自分と同じような家庭環境の人がいいよ、と。

 

夫は地元の国立大学卒業、

私も国立大学卒業。

 

息子が国立大学を卒業しているくらいだから、

教育に対する考えは似ているかもしれないし、

そう家庭環境が違うってことはないだろう、

と何となく思っていました。

 

ところが、会ってみると、

違和感のある家族でした。

 

当時はその違和感が何なのか、よくわかりませんでした。

こんなタイプの人達もいるのだな、くらいにしか思いませんでした。

 

というのも、

息子が結婚したいと連れてきた女性(=私)に興味がなさそうなのです。

 

仕事のこととか、

私の家族のこととか、

(私は留学経験があるのですが)留学先のこととか、

大学のこととか、

色々質問できるでしょう。

 

でも実際は、

自分達の話をしたり、私がわからない話題が延々と続いたりしました。

 

もちろん、私も夫となる家族のことを知りたかったので、

こちらから質問しなくても、

彼らが自分のことを話すのは、むしろ有難いくらいでした。

 

でも、探り探りコミュニケーションをとりながら、

会話を進めていくのではなく、

ひたすら一方的でした。

 

私がわからない話題についても、

初めて会うのだから、わからなくて当然です。

 

わからない話題でも、

話の途中で一言、注釈を入れたりすればいいのです。

「かなちゃんがね、あ、かなちゃんは従姉妹で大学生なんだけど」みたいに。

 

そういう気遣いも、

円滑なコミュニケーションには必要だと思います。

 

ところが、

相手のことを知ろうとしない。

コミュニケーションが一方的。

 

価値観の違いなのでしょうか。

それとも、突然息子をとられるとでも感じていたのでしょうか。

 

どちらも当てはまるかもしれないし、

どちらも見当違いなのかもしれません。

 

 

 

この日感じた違和感は、

後々、夫の不思議な言動を理解する鍵となるのでした。

 

馴れ初め

どうして結婚する前に、夫の特有の言動に疑問がわかなかったのか。

人からも聞かれますし、私自身も感じています。

 

今の私の立場で分析するに、

私の家庭環境が影響しているのではないかと思っています。

 

親戚も含め、私の家族は真面目で普通の人ばかりです。

今となっては、有難い環境だと思うのですが、

子供の頃は、面白みがない、つまらない、

そして、ちょっと恥ずかしいとも感じていました。

 

大人になり、仕事や勉強、遊び、自分の好きなようにしてきました。

30歳になり、結婚せずに自分のしたいことを貫こう…

そこに現れたのが、今の夫です。

予想もしないタイミングで少しずれたことをしたり、言ったりします。

 

これ、人を笑わせるために、わざとしていると思っていました。

いわゆる、ちょっと変わった人。ちょっと天然。

 

初めて出会うタイプの人でした。

面白いと思ってしまったのでした。

 

そして、出会って半年で、

付き合うことなく、結婚を決めました。

 

結婚は勢いとよく言いますが、まさに勢いです。

 

はじめに

はじめまして。べるかあちゃんと申します。

ブログへのご訪問、ありがとうございます。

 

アスペルガー傾向の強い夫と、定型の3歳の娘と暮らしています。

私はいわゆる”カサンドラ症候群”状態です。

 

現在、夫との生活は丸8年。

どんなきっかけで夫がアスペルガーではないかと疑い、

どのように私がカサンドラ状態になり、

娘にどのような影響が出たのか等、

ゆっくりではありますが、書いていこうと思っています。

 

あくまでも、私から見た夫、家族の姿です。

 

どうぞよろしくお願いいたします。