なおさんの家族と会う
なおさん(今の夫)のことは多少知っていたものの、
なおさんの家族のことは全く知りませんでした。
ところで、母が私によく言っていました。
結婚相手は、自分と同じような家庭環境の人がいいよ、と。
夫は地元の国立大学卒業、
私も国立大学卒業。
息子が国立大学を卒業しているくらいだから、
教育に対する考えは似ているかもしれないし、
そう家庭環境が違うってことはないだろう、
と何となく思っていました。
ところが、会ってみると、
違和感のある家族でした。
当時はその違和感が何なのか、よくわかりませんでした。
こんなタイプの人達もいるのだな、くらいにしか思いませんでした。
というのも、
息子が結婚したいと連れてきた女性(=私)に興味がなさそうなのです。
仕事のこととか、
私の家族のこととか、
(私は留学経験があるのですが)留学先のこととか、
大学のこととか、
色々質問できるでしょう。
でも実際は、
自分達の話をしたり、私がわからない話題が延々と続いたりしました。
もちろん、私も夫となる家族のことを知りたかったので、
こちらから質問しなくても、
彼らが自分のことを話すのは、むしろ有難いくらいでした。
でも、探り探りコミュニケーションをとりながら、
会話を進めていくのではなく、
ひたすら一方的でした。
私がわからない話題についても、
初めて会うのだから、わからなくて当然です。
わからない話題でも、
話の途中で一言、注釈を入れたりすればいいのです。
「かなちゃんがね、あ、かなちゃんは従姉妹で大学生なんだけど」みたいに。
そういう気遣いも、
円滑なコミュニケーションには必要だと思います。
ところが、
相手のことを知ろうとしない。
コミュニケーションが一方的。
価値観の違いなのでしょうか。
それとも、突然息子をとられるとでも感じていたのでしょうか。
どちらも当てはまるかもしれないし、
どちらも見当違いなのかもしれません。
この日感じた違和感は、
後々、夫の不思議な言動を理解する鍵となるのでした。